フランスにはレジデンスといって、アーティストが政府などから援助を受けながら作品を作ることができる場所があります。
この日はモンマルトルにある大きなレジデンスがオープンスタジオをしていると聞いてやってきました。要するにアーティスト達がレジデンスで普段どんな事をしているか、レジデンスの結果どんな作品が生まれたかを見せる日です。
行ってみると結構大きなアパートが何棟かあってミュージシャン、画家などいろんな分野のアーティスト達がそこに住みながら作品を作っていました。
この日は公開日なので自分の部屋に作品を展示していたり、時間によっては野外でパフォーマンスがあったりします。文化祭のような雰囲気。
ビールやワイン、ちょっとしたサンドイッチの出店もあります。その中で衝撃だったのがこの綿あめ屋さん。
ざ、斬新すぎる....! しかも売ってる綿あめは一つ一つ大きさバラバラ、形もぐちゃぐちゃ。ちなみに食べると舌が緑になります。ロックすぎるおじちゃんになんかグッときました。
そんな出店を横目にバスクラリネットのコンテンポラリー音楽生演奏を聞いていると、音楽につられて踊りはじめる子供達。
サーービス!とても自由。しかもちゃんと踊りになっていて、見てて飽きない。子供が自由だと嬉しい。
そのあと観たもう一つのパフォーマンスがこれ。
パフォーマー1人1人のTシャツに
"If we can't dance, we don't want to be part of your revolution"
"もし踊れないなら、あなたの革命の一部にはなりたくない"
と細切れに書いてあり、
あとは心地よいゆったりめのラテンミュージックにあわせてただただ楽しく踊る、観客を巻き込む、笑顔につられて踊り出す。気づいたらみんな踊ってる。
この背中。Tシャツのしわから伝わるでしょうか...この本気度。
音もあるしメッセージも体の動きも確かにある。でも言葉を掲げてただただ踊るというある意味無言の主張。それがメッセージの強さを引き立てていました。
"あなたの革命" が何なのかはっきりとはわかりませんが、これがそのままの意味の"革命"だったら平和に対するメッセージなのではないかと勝手に解釈。
集団的自衛権が話題になっていますが、平和に必要なのは武器でもこういう類の法律でもそれをつかった戦いでもなく、こういうものなんじゃないかなーとぼやぼや思いました。戦いから生まれたダンスもたくさんあると思いますが...
音楽、ダンスなどのアートが文化として何をできるかっていうところですが、まさにこういうことなんじゃないかと。現実をからめた少しの非現実と、スパイス。明日への原動力。メッセージ。それらは無くてもいいけどあったら豊かになれる。それは結果的に無くてはならないものなんじゃないかと。
ストや国会前での抗議をする勇気もすごいです。でもそれ以外の形でも色んなことを主張できるアートってやっぱすごいなぁ、と思ったのでした。
もしこれを国会前でやったら議員さんたちは一緒に踊ってくれるのかな。
この時期、オーディションのためのフランス語での書類に手こずりまくり、やっとの思いで提出してホッと一息というところでした。
でもオーディションまで一ヶ月を切っていたので、まだまだ気は抜けずレッスンに通う日々。書類がしっかりしてても体がフニャフニャだったらお話にならん...! フランス語ももっともっとやらなきゃ...! っていう心境でした。
この日例のバスクラリネットの演奏家ヨアヒムから買ったCDがオーディションでの自分の振り付けの曲となりました。クラリネット、サックスを吹きこなす彼の演奏、素晴らしい音色でした。
フランスに来てからオーディションまでの約2ヶ月の総まとめはここまで。次回はオーディションの話!
おまけ
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