2014年8月27日水曜日

まめのはなし

新しい食べ物を開拓しよう、ということで一時期ハマっていたのが豆。



これはポワカッセヴェール(直訳すると壊れた緑の豆) という、乾燥したグリーンピースを割れたような状態で売ってある謎のまめ。


45分間水に浸してから調理します。

フランスでは豆のスープに、
スペインでは炒め物に、

という話を地元民から聞いたのでトマト、パセリ、チーズ、オクラと一緒にスペイン風に炒めてみました。これらの材料がスタンダードなのかは全くわかりませんが、スペイン人の友達の弁当を見よう見まね。山手ブレンド。


ちなみにチーズはシェーブルというくさめヤギのチーズ。苦手な人も多いやつだけど、私は何か他の食べ物と一緒に食べるなら食べられます。



これが、、






こうなる。枝豆みたいにホクホクはしなくて、なんかシャキシャキした食感。鉄分を多く含むので体にもいいみたいです。





こちらは友達が作ってくれたギリシャの伝統豆サラダ。奥は私が作ったお好み焼きです。


玉ねぎ、パセリ、ブラックアイ(黒い目)というお豆に、やっぱりシェーブル。酸っぱい味で美味しかった^o^




お次はあんこを作りたくて買ったあずき。日本のものよりも大きくて、甘納豆とかにできそうなかんじ。日本みたいに小さくて丸いのも手に入りますが、今回はこれ。




あまりに大量だったので、あんこを作った後に余った豆をどうしようかと考えているうちに一週間経過。水で戻してしまっていたのでもうダメになっちゃったかな、、と見てみると



うおおお、め、芽が生えてる......!




うおおおなんじゃこりゃ....! でも良く考えたらこれってもやし?食べれんのかな....くんくん


においをかいでみるとくさくない。
しかもなんか発芽してるせいかぴちぴちしてて生命を感じる。腐るどころかすごく栄養がありそう。

.....ちょっとおいしそう。ゴクリ。


調べてみると、発芽小豆は立派な健康食品で、栄養も旨味も増しているし皮がやわらかく調理しやすいんだとか。もはや豆ではなく野菜!


よし、食べよう。


というわけであまりに大量だったためお赤飯とトマト味の豆煮込みに。


芽がにょきにょきしててちょっとした衝撃映像だったけどお赤飯。確かに皮がやわらかい!うまみもあって美味しい。



煮込みももやしがにょきにょきしてるけどトマトと肉のうまみと豆が合う♪



調理に時間がかかるあずきだけど、それでも発芽前に比べて皮がやわらかくて調理しやすかったです。


ちなみにあずきのもやしはシャキシャキプリプリしていてしっかりした触感なんだとか。


フランスではお肉が高いなーと感じていたのでこれで良質なタンパク質を摂取!リピートしようと思います( ´ ▽ ` )

ブリュッセル

ベルギーはブリュッセルに行ってきました!



ちょうど2年に一度のお花のお祭り?のようなものをやっていて、グランパレという大きな広場一面にお花の絨毯が。


しかしバカンスのシーズン。昼間は人が多すぎる!ということで



朝6時に起きて見に行き、独り占め!

グランパレを囲む建築の朝焼けもきれいでした。





この小旅行の目的は一年前に知り合った映画大好き中国人のメンに会うこと。


というわけで滞在中は毎日映画鑑賞。スティーブンスピルバーグがヒトラーのユダヤ人迫害を描いた"schindler's list"。白黒映画だけど3時間の大作。個人に焦点を当てすぎずユダヤ人が迫害されていく様を終戦まで俯瞰的に描いてました。



映画の前にメンと話をしていると、メンが今住んでいるアパートの同居人は唾を吐いたりしてくるらしく、更に下の階に住んでいる大家さん夫妻は不仲でしょっちゅう喧嘩するため夜中に奥さんの叫び声が聞こえる。



大好きな映画監督の助手をしながら暮らすメンの生活は厳しく、引っ越すことができないそうです。同居人が壊したり汚したりするため共同のお風呂にもなかなか入れない生活。



彼女は生きることをやめたいけど勇気がないだけ、星になって黙ってたい、一生映画の世界に浸ってたい、と真剣に言ってました。彼女の人柄から一生懸命生きてるのが伝わるだけにやるせない気持ち。でも映画の中ではなく現実を生きなければ。



Lefe is beautiful, but f*cking hard.


という彼女の言葉が映画を観ながら頭の中を回ってました。



好きなことをしてお金のない人生、
嫌だ嫌だと言いながら仕事に行く人生



どちらがいいかなんて言えないけど、幸せってなんなんだろうなとホームレスを横目に駅を歩きながら思いました。


現実逃避のようで現実を突きつけられたこの旅行。


実はこの旅行中に9月からの家を失うことがほぼ確定。原因は難しい性格の大家とうまくコミュニケーションとれず、誤解されてそれを解くことができなかったことです。


色々と我慢して住み続けることもおそらくできたけど部屋を荒らされたりしたので手遅れだと感じ家を出ることを選択。



捨てる神あれば拾う神ありで幸いにも助けてくださる方たちにお世話になり、今は生活の場所を点々としながら調整中です。本当にありがたい限りです。


ご心配をおかけしましたが、前向きに元気にやってます。研修が始まる前にこんなことで疲れている場合じゃない、学ぶべきものは学んで強く生きなければと思ったのでした。



こんなことを書いたけど、総じてブリュッセルという街はとても素敵なところです。もちろんフランスにもベルギーにも安心して住める快適な家はたくさんあります!



というわけで写真で町並みを紹介^_^




つめたいのにあったかい像




隠れ家カフェ





早朝にふざけるひと




毎日食べた1ユーロのあったかワッフル!




高級チョコのお店や古本屋さんなどがあるすてきなギャラリー。映画館も入ってます。日本で観そびれてたジブリの竹取物語を観ました。


映画見てばっかだったなーベルギー。でも気軽に楽しめる洗練されたアートがたくさんあって、パリよりも小さいせいかそういう場所が見つけやすくて、またメンがいるあいだに遊びに来たいな〜と思いました。


というわけでちょっとバタバタしてますが落ち着いたらまた更新します!

2014年8月12日火曜日

オーディション


10月から2年間、フランスのCDCToulouse(フランス振付センター)というところで研修生として受け入れてもらえることになりました。


この研修生になるためのオーディションがちょっと前にありました。今日はその話。


このオーディションでフランス語が必要だったので、大学6年生だった去年の夏に受けようと決めてから必死で勉強しました。




でも獣医の6年生といえば獣医国家試験(通称:国試 こくし)の勉強もあり、同時並行するには限界がありました。お釈迦様にはなれません。





国試受験生時代の机の上。ちなみに全部私のものです。大惨事ですね。



ということで無事に国試を終えて卒業し、4月の終わりにパリに着いた時はフランス語で質問することもままならない状況。


そこからのほぼ2ヶ月で整えた超荒削りのフランス語を携えて、オーディションの2日前にトゥールーズへ到着しました。到着してからオーディションまではパリにはないまったりした空気を吸ってゆ〜ったり過ごしてました。



友達のシェアハウスに滞在させてもらっていたのでみんなでご飯を作ったり。 




トゥールーズには珍しい雨続きだったらしく、湿気があってむんむんしてました。アジアの湿気が懐かしくなりました。




心境はドキドキ、、というよりはあー本当にやってきたんだなぁというかんじ。今までやってきたことすべてはこの日のためにありました。その結果を数日後にぽんっと渡される。なんともいえない、じとっとした気分でした。



さらに年齢制限があるため私にとってこれが最後のチャンス。まずは受けられたことに感謝。



とはいえ焦っても明日突然フランス語がぺらぺらに話せるわけも200度開脚できるようになるわけもないので、これまでの自分自身で楽しむしかない。



神様全てを受け入れます、と前日の夜に柔軟しながらブツブツ心の中で繰り返していました。



その柔軟中に思ったのが私たちは常に骨盤と一緒に生きているんだなぁということ。


フランスに来てから毎日骨盤と対話してました。レッスンの中で骨盤という言葉を聞かない日はありませんでした。それくらい骨盤はダンスに重要みたいです。


意識してなかったけど私が生まれた時からこの骨盤は一緒にいて、常に開いたり閉じたりしながら、たまに周りにある骨、神経や筋肉とのバランスを崩して私を痛くしたりしながら、一緒に生きてきたんだなーと。


それは体に愛着が湧いた瞬間なのかもしれないです。国試勉強の時は毎日座りすぎてぎっくり腰になっちゃったんですが、そんな数か月前に比べたら少しは自分の体と直接向き合うことができたかなと思いました。獣医の勉強自体も私の体との対話ではあったんですが。


同時にここまで着実に一歩一歩来てることを実感しました。よし、ここまで来たからにはやるしかない。



オーディション自体は幸いにもフランス語のできない私に対する理解のある人たちに囲まれて、最初から最後まで本当に自分らしく楽しませてもらって、それが結果に出てくれました。


オーディションに向けて応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。国試、渡仏、オーディション準備、自分一人では乗り越えられないものがたくさんありました。



10月から始まる研修に向けて今は細々とした準備中です。


よく考えたらオーディションまではダンスで必死すぎたためパリのことを何も知らない.... トゥールーズに行くまでの残された時間でパリも楽しまなきゃ!と、やっと語学、レッスン漬けの日々からひと段落して少しずつ観光しはじめたところです。


フランスはバカンスの時期。日本はお盆ですね〜旅行•帰省する方はお気をつけて^_^



おまけ

オーディションのあと2日間余計にトゥールーズへ滞在していたので久しぶりにゆっくり休むことができました。


庭のハンモックでひたすらグダグダしたり



迷い猫とお昼寝したり



パリもいいけどトゥールーズやっぱりいいとこだなぁ〜。



応援してくれる人たちのためにも、本当にここからがスタートなので楽しみながら踊りたいです。


長くなったけどオーディションの報告でした!

2014年8月5日火曜日

2ヶ月総まとめ第四弾 -オープンスタジオ編


フランスにはレジデンスといって、アーティストが政府などから援助を受けながら作品を作ることができる場所があります。


この日はモンマルトルにある大きなレジデンスがオープンスタジオをしていると聞いてやってきました。要するにアーティスト達がレジデンスで普段どんな事をしているか、レジデンスの結果どんな作品が生まれたかを見せる日です。


行ってみると結構大きなアパートが何棟かあってミュージシャン、画家などいろんな分野のアーティスト達がそこに住みながら作品を作っていました。


この日は公開日なので自分の部屋に作品を展示していたり、時間によっては野外でパフォーマンスがあったりします。文化祭のような雰囲気。


ビールやワイン、ちょっとしたサンドイッチの出店もあります。その中で衝撃だったのがこの綿あめ屋さん。




ざ、斬新すぎる....! しかも売ってる綿あめは一つ一つ大きさバラバラ、形もぐちゃぐちゃ。ちなみに食べると舌が緑になります。ロックすぎるおじちゃんになんかグッときました。



そんな出店を横目にバスクラリネットのコンテンポラリー音楽生演奏を聞いていると、音楽につられて踊りはじめる子供達。



サーービス!とても自由。しかもちゃんと踊りになっていて、見てて飽きない。子供が自由だと嬉しい。



そのあと観たもう一つのパフォーマンスがこれ。

パフォーマー1人1人のTシャツに

"If we can't dance, we don't want to be part of your revolution"

"もし踊れないなら、あなたの革命の一部にはなりたくない"

と細切れに書いてあり、

あとは心地よいゆったりめのラテンミュージックにあわせてただただ楽しく踊る、観客を巻き込む、笑顔につられて踊り出す。気づいたらみんな踊ってる。




この背中。Tシャツのしわから伝わるでしょうか...この本気度。


音もあるしメッセージも体の動きも確かにある。でも言葉を掲げてただただ踊るというある意味無言の主張。それがメッセージの強さを引き立てていました。


"あなたの革命" が何なのかはっきりとはわかりませんが、これがそのままの意味の"革命"だったら平和に対するメッセージなのではないかと勝手に解釈。


集団的自衛権が話題になっていますが、平和に必要なのは武器でもこういう類の法律でもそれをつかった戦いでもなく、こういうものなんじゃないかなーとぼやぼや思いました。戦いから生まれたダンスもたくさんあると思いますが...


音楽、ダンスなどのアートが文化として何をできるかっていうところですが、まさにこういうことなんじゃないかと。現実をからめた少しの非現実と、スパイス。明日への原動力。メッセージ。それらは無くてもいいけどあったら豊かになれる。それは結果的に無くてはならないものなんじゃないかと。


ストや国会前での抗議をする勇気もすごいです。でもそれ以外の形でも色んなことを主張できるアートってやっぱすごいなぁ、と思ったのでした。


もしこれを国会前でやったら議員さんたちは一緒に踊ってくれるのかな。


この時期、オーディションのためのフランス語での書類に手こずりまくり、やっとの思いで提出してホッと一息というところでした。


でもオーディションまで一ヶ月を切っていたので、まだまだ気は抜けずレッスンに通う日々。書類がしっかりしてても体がフニャフニャだったらお話にならん...! フランス語ももっともっとやらなきゃ...! っていう心境でした。


この日例のバスクラリネットの演奏家ヨアヒムから買ったCDがオーディションでの自分の振り付けの曲となりました。クラリネット、サックスを吹きこなす彼の演奏、素晴らしい音色でした。


フランスに来てからオーディションまでの約2ヶ月の総まとめはここまで。次回はオーディションの話!



おまけ



パフォーマンス後。輝。