2016年6月15日水曜日

マークのワークショップ

少し前の話になりますがベルギーの世界的なダンスカンパニー、ローザスで長年ダンサーとして踊ってきたマークのワークショップを受けていました。


ただ踊りを振り付けるのではなく、作った動きや空間の使い方に様々な法則を与えていくことで自分たちでは思いつかないような動きを作り出して形にする彼のダンス。



一捻りされた体験したことのない動きばかりなので頭も使うし簡単ではないのですが、そんな時に彼に言われたのが動きを最後までやりきること。



例えば倒れる動作一つでも、本当に倒れるギリギリまでやる。彼の言葉で言うと"自分を驚かせ、怖がらせなければいけない"。




動きを味わいきることで、その振り付けを通して体験するものが全く変わってきます。それを発見してからは2週間とにかく自分が思っているよりも動きを大げさにやることを念頭に置いてレッスンを受けていました。



解剖学的に無理と思える動きでも、やるときはやらなくてはいけない。レッスンの後に話していた時ちらりとそんなことを言っていて、私たちが経験した難しさはマークもローザスで散々体験してきたことなんだろうなと思います。つべこべやる言わずにやる時はやるのだ。



そしてとにかく動きを味わいまくった結果、自分の知覚と実際の見え方のズレを再認識。世界は自分が思っているより大きかった。自分が届く範囲というのも実は思っているよりも大きい。研修の最後に差し掛かってとても大切なことに気付けました。



実は去年も彼のワークショップを受ける機会があったのですが、その時は彼の法則が生み出す予想外な動きをすることにストレスを感じていました。人間誰だって気持ち良いと思える動きをしていたいと思うものです。



でもその不自然な動きを味わいきることで無理な動きも自分のものになり、本当の意味での経験へと変わります。自分の知らないものを体験する本当の楽しみを知ることができました。



そういった慣れない動きをすることから生まれる集中力の美しさや自分が決めている身体の限界を超える瞬間の喜び、そんなものが見えるといいなーという気持ちで挑んだ最後のアパルテ。




アパルテ前にパシャり。


Photo by Pierre Ricci

年度末が近いのか何かと集合写真を撮ることが多い今日このごろ。
2年間の研修も終わりに近づいています。最後まで元気にやりきるぞっと。












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